産業医業務Q&A

「食中毒についての基礎知識」

こんにちは。メディカルコンチェルトの中の人です。

食べることが大好きな中の人が普段気を付けている“食中毒”について基礎知識と対応策をご紹介させていただければと思います。

高温多湿が続いてくると、食材が傷みやすくなるのはご存じかと思いますが気を付けていてもなってしまうのが食中毒です。でも、おいしいものにはリスクがつきものだったりしますよね。

今回は食中毒菌の種類と食材など基礎知識をご紹介させていただきます。

■食中毒とは?

■食中毒菌の種類と分類

■食中毒菌が増える要因と対策

■食中毒とは?

うまいものを安全に食べるにはまず敵を知れ!ということで、どのような状態を指し示すのかを確認しましょう。

・症状

食中毒とは食品に起因する腹痛、下痢、嘔吐、発熱などの症状総称で原因によって症状は様々であり、数日から二週間程度続きます。


・原因

腸内で細菌やウイルスが増殖したことにより胃腸機能が低下したことによるもので下痢や嘔吐を繰り返すことで体外に排出され症状も徐々に緩和されます。
下痢や嘔吐が長時間続くことで水分や電解質が体外へ排出され脱水症状を引き起こし、重症化すると死亡することもあります。


・注意事項

特に小児高齢者の場合は脱水が進んで深刻な状態へ進行する場合があります。
また、薬を服用することにより体内で増殖した細菌やウイルスが排出されず長期間腸内で留まることで症状が長期化し、特に毒素型の細菌に感染した場合には、腸内で菌が留まることで毒素を産生し重症化します。よって下痢止めや薬や吐き気止めの薬を安易に自己判断で服用しないよう、必ず医療機関を受診して下さい。

だそうです。特に注意事項はよく読んでください。安易に下痢止めなどを服用してしまうと逆効果になる可能性もありますので必ず病院を受診し医師の判断に従うようにしましょう。

食中毒菌の種類と分類

食中毒の原因は細菌性、ウイルス性、自然毒(植物性・動物性)、化学物質性、寄生虫など様々で、中でも大多数を占めるのが「細菌」と「ウイルス」です。

まずはこの2つの概要を確認しましょう。

細菌

細菌(バクテリア)は、糖などの栄養と水があり一定の条件がそろえば、生きた細胞がなくても自分の力で増殖します。生物以外のもの、たとえば調理後の食品内で食中毒を起こすのも細菌が原因です。細菌による感染症の多くは、抗生物質を投与することで症状を抑えることができます。例外はありますが一般にペニシリンなどの抗生物質は、細菌の細胞膜の形成を阻害して細菌を育たなくする働きがあります。

サイズ:約 1~5 μm(ミクロン,マイクロメートル,1 μm=1000 nm)

ウイルス

ウイルスは細胞を持たず、基本的にはタンパク質と核酸からなる粒子です。たとえ栄養や水があっても細菌と異なり、細胞がないため単独では増殖できず、他の生物の生きた細胞に寄生(感染)して自己を複製することでのみ増殖します。抗生物質は細菌には効きますが、ウイルスには全く効果がありません。ウイルスは人の細胞に寄生しているため治療が難しく、予防のためのワクチンだけが頼りです。ワクチンは無毒化もしくは弱毒化したウイルスを体内に入れて免疫力を高め、実際に感染した時に急激にウイルスが増殖することを抑えます

サイズ:ウイルス核は約0.1μm

と、難しい説明がありますが簡単にいうと

細菌は【一人でも生きていける】⇒栄養があれば一人で分裂して増えることが出来る

(小さい、抗生物質効く)

ウイルスは【一人では生きていけない】⇒生物の細胞の中でしか増えることが出来ない

(もっと小さい、抗生物質効かない+対処療法とワクチン)

ってことです。

食中毒の分類

細菌性食中毒

感染型

⇒細菌自体が悪さをする

飲食により摂取した細菌が腸管内で増殖することで発症する、あるいは食べ物の中で細菌が増殖してしまい、その食べ物を食べたことにより発症する食中毒。

代表的な原因菌

サルモネラ、カンンピロバクター、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌など。

毒素型

⇒細菌から生産された毒素が悪さをする

生体内毒素型とは摂取された細菌が腸管内で増殖し,産生された毒素が原因物質となり食中毒症状を起こします。代表的な原因菌として腸管出血性大腸菌、セレウス菌(下痢型)などがあります。

食品内毒素型とは食品内で細菌が増殖し産生された毒素が原因物質となり食中毒症状を起こします。感染型より潜伏期間が短いというのが特徴です。

代表的な原因菌

黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌、セレウス菌(嘔吐型)など。

ウイルス性食中毒

ウイルスが蓄積している食品の飲食や感染者を媒介にして付着したウイルスが口に入ることで引き起こされる食中毒で、その大部分がノロウイルスです。

ノロウイルスはヒトの腸管のみ(小腸粘膜の上皮細胞)で増加し、感染を拡大させていきます。ウイルス10個程度でも発症してしまうほど感染力が非常に強く、予防を心掛けていたとしても様々な感染経路によりいつの間にか感染してしまうことがあります。ノロウイルスは遺伝子型がいくつもあり変異していくため、ノロウイルスに一度感染しても繰り返し感染、発症します。

ノロウイルスに対する有効な薬剤やワクチンは作られていないので感染した場合は対症療法を行います。

※ノロウイルスはなぜアルコールの効き目が無くて塩素なのか

ウイルスの構造からエンベロープ(脂肪・タンパク質・糖タンパク質からできている膜)のあるウイルスとないウイルスに分けられ、ノロウイルスはノンエンベロープウイルスです。

ノンエンベロープウイルスはダメージを受けにくく、塩素以外のアルコール消毒剤が一般的に効きにくい傾向にあり、消毒剤がノロウイルスに効きにくいのもそのためです。

食中毒の予防3原則

上記で食中毒菌の概要(種類と分類)をご紹介してきましたが、最後に増殖(増える)の要因となるべく増えないようにする対策をご紹介していこうと思います。

が、食中毒菌の種類によって増殖条件はバラバラです。ですので、今回は大きい括りで【食中毒の予防3原則】をご紹介してまいります。

※各食中毒菌のご説明は次の機会にご紹介いたします。

以下

参考文献:政府広報オンライン

https://www.gov-online.go.jp/featured/201106_02/index.html

食中毒の予防3原則

  • つけない(洗う、分ける)

手にはさまざまな雑菌が付着しています。食中毒の原因菌やウイルスを食べ物に付けないように、次のようなときは、必ず手を洗いましょう。

・調理を始める前

・生の肉や魚、卵などを取り扱う前後

・調理の途中で、トイレに行ったり、鼻をかんだりした後

・おむつを交換したり、動物に触れたりした後

・食卓につく前

・残った食品を扱う前

また、生の肉や魚などを切ったまな板などの器具から、加熱しないで食べる野菜などへ菌が付着しないように、使用の都度、きれいに洗い、できれば殺菌しましょう。加熱しないで食べるものを先に取り扱うのも1つの方法です。焼肉などの場合には、生の肉をつかむ箸と焼けた肉をつかむ箸は別のものにしましょう。 食品の保管の際にも、他の食品に付いた細菌が付着しないよう、密封容器に入れたり、ラップをかけたりすることが大事です。

  • 増やさない(低温で保存する)

細菌の多くは高温多湿な環境で増殖が活発になりますが、10℃以下では増殖がゆっくりとなり、マイナス15℃以下では増殖が停止します。食べ物に付着した菌を増やさないためには、低温で保存することが重要です。肉や魚などの生鮮食品やお総菜などは、購入後、できるだけ早く冷蔵庫に入れましょう。なお、冷蔵庫に入れても、細菌はゆっくりと増殖しますので、冷蔵庫を過信せず、早めに食べることが大事です。

  • やっつける(加熱処理)

ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅しますので、肉や魚はもちろん、野菜なども加熱して食べれば安全です。特に肉料理は中心までよく加熱することが大事です。中心部を75℃で1分以上加熱することが目安です。ふきんや、まな板、包丁などの調理器具にも、細菌やウイルスが付着します。特に肉や魚、卵などを使った後の調理器具は洗剤でよく洗ってから、熱湯をかけて殺菌しましょう。台所用殺菌剤の使用も効果的です。

今回は食中毒の概要をご紹介させていただきました。

基本情報を知っておくことで食中毒に気を付けながら、美味しいものを安全に食べることができますね。

また今度、食中毒について詳しいお話を書かせていただけたらと思います。

それでは、また。