健康経営 Q&A

こんな衛生委員会は嫌だ!ー良い例 & 悪い例ー

こんにちは。メディカルコンチェルトの中の人です。


これから健康経営に役立つ情報を配信していきますのでどうぞお付き合いください。コラムで取り上げてほしいテーマなども大募集中です!こちらの「質問投稿」より是非よろしくお願いします!

今回は【衛生委員会について】です。

正直、語りつくされた内容かと思います。。。

はい。中の人はそこをあえてテーマにしてしまいます。

改めて衛生委員会の目的とは?メンバーとは?どのように活用していけばよいの?といったテーマで書いていこうと思います。

目次

■衛生委員会とは

■衛生委員会の参加者

■こんな衛生委員会はいやだ!「盛り上がる衛生委員会」と「意味のない衛生委員会」
(中の人の実体験)

今回は上記3つのテーマに沿って書いていこうと思います。それでは、よろしくお願いいたします。

■衛生委員会とは

はじめに【衛生委員会(安全委員会)とはなにか?】ということをご説明していきます。

労働安全衛生法の第18条にはこうあります。

事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、次の事項(後述)を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため、衛生委員会を設けなければならない。

引用:「労働安全衛生法」第18条 より

※よく間違えられやすいですが、労使交渉の場ではないので注意が必要です。

まず、衛生委員会と安全委員会の違いです。

・衛生委員会の設置対象:50名以上の事業場の全業種

・安全委員会の設置対象
50名以上の下記業種
【林業、鉱業、建設業、製造業のうち木材・木製品製造業、化学工業、鉄鋼業、金属製品製造業及び輸送用機械器具製造業、運送業のうち道路貨物運送業及び港湾運送業、自動車整備業、機械修理業並びに清掃業】

100名以上の下記業種
【運送業(上記業種を除く)、製造業(物の加工を含む) 、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゅう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業】

このように定められており、まとめて【安全衛生委員会】としている企業様もございます。

また、企業規模によって【衛生管理者】と【産業医】の必要数も変動してきますが、今回はあくまでも衛生委員会のまとめになりますので、割愛させていただきます。

衛生委員会の開催と記録に関しては

  • 毎月1回以上
  • 議事録を作成し3年間保存が必要
  • 開催後は速やかに内容を社内で周知する

となっております。具体的には以下のような方法で行います。

・常時作業場の見やすい場所に掲示し、または備え付ける
・書面を労働者へ交付する
・磁気テープ、磁気ディスクなどに記録し、各作業場に労働者が記録内容を常時確認できる機器を設置する

⇒要するに、社内で誰でもいつでも確認できる場所に提示しましょうということです。

社内イントラの掲示板に添付したり、小さいオフィスだと紙で出力し掲示板や冷蔵庫に張り付けたりしている企業もございます。

■衛生委員会の参加者

※ドクタートラスト様の資料がとても分かりやすくて切り取りました。
いつもわかりやすい資料で参考にさせていただいております。ありがとうございます。
決して「パクリ」ではございません。お許しください。。。
ドクタートラスト様の参考資料:https://aneiho.com/iinkai/iinkai2

ということで、とても分かりやすい図でしたので、参考にさせていただきました。

メンバー構成は

① 委員長(オブザーバーで事業者側、労働者側どちらでもない)⇒企業によって様々ですが人事部長、工場長、役員、社長などが選出されます。

② 事業者側
  ・衛生管理者
  ・産業医
  ・衛生に関し経験を有するもの(健康診断の担当者など)※衛生管理者と兼任も可能

③ 労働者側
  ・事業者側と同数

以上となります。事業者側の衛生管理者と衛生に関し経験を有するものを兼任すれば、労働者側は2名で良くなるので、最低人数は5名となります。

こんな衛生委員会はいやだ
「盛り上がる衛生委員会」と意味のない衛生委員会」(実体験)

さて、今回のコラムのメインです。

定義やら目的やらをつらつらと書いてきましたが、これが一番お伝えしたかった項目です。

★マンネリ化対策

正直、衛生委員会とはマンネリ化が避けられません。

毎月開催しますが、毎月毎月労働衛生に関する話題やテーマなんてなかなか出てきません。

特に50~100名規模の企業様はテーマにお困りかと存じます。でも、実際には衛生委員会で協議する内容や決めることはとても多いはずなのです。

特に50名を超えて、衛生委員会を立ち上げの際には決めること、やることがとても多いです。

例えば、

・規定関係各種(健康情報管理規定・ストレスチェック管理規定・衛生委員会管理規定等。。。)
・年間スケジュールの策定
・ストレスチェックの実施時期や業者の選定
・健康診断の時期と会社補助項目の協議
・産業医の訪問スケジュール
・衛生委員会の議事録の策定
・産業医への定例報告のまとめ(長時間労働者のリストアップ・休職者、復職者の人数報告・健康診断の進捗や受診率等。。。)
・感染症対策(社内でのコロナ感染対策・インフルエンザ予防接種など)
・産業医の面談までのフローの確認等

これだけで1年はあっという間です。むしろ終わらない企業様がほとんどではないでしょうか。

マンネリ化して衛生委員会に意義を感じない企業担当者の方がいらっしゃれば、上記の項目の策定を進めてみてはいかがでしょうか。

★こんな衛生委員会になってないですか?それって意味あります?

先ほども言った通り、有意義な衛生委員会にしたいですよね

だって、毎月開催しなければならず、議事録を残さなければならず、産業医にお金を払って参加してもらってなど、、、

時間と金をかけて毎月開催するものですので、もったいないですよね??

衛生委員会を活用するために、よくない例をこれからご紹介していきます。

このような状態に陥らないように注意しましょう。

※注意※
これから書いていく事例は過去に体験した実際にあった事例を少々脚色しております。

悪 い 例

CASE1 産業医の健康講話という名の独壇場

産業医が席に着くなり使い古された資料をメンバーに配り、講話を行います。

講話が終了したと同時に衛生委員会も終了。メンバーからの質問も特になく、定例報告も無し。

産業医は帰り、議事録には【産業医からの健康講話】とだけ記載する。

衛生委員会を産業医に丸投げしている企業様が陥りやすい状況です。

定例報告も無ければ、協議もしない。

産業医が使い古された資料を使って、健康に関する講話を行い、講話が終われば衛生委員会終了という奇妙な会です。

メンバーだけを集めて、後は“先生ハイよろしく”

本当に優秀で熱意のある産業医であれば、定例報告や進め方に関しての提案を行うのですが、ほとんどの産業医は企業側に提言しません。だって、企業にお金をいただいて参加しているのですから当然です。トラブルは避けたいですし、資料を読んで終わりならそんなに楽な仕事は無いわけで、産業医としてのコスパはいいです。でも企業側としてはもったいないですよね?

CASE2 定例報告のみ行って終わり

衛生委員会が始まると、司会の方が各部署に長時間労働者数と36協定越えの人数を報告させます。7~8部署ほど報告させると、産業医がそれに対して質問するのですが返答は曖昧なものばかりで対策なども話し合えず全てが一方通行で時間がきて終わり。

これは比較的大手の企業様に多い印象です。

産業医のスキルが高くても、企業側が協力的でないと一方通行になってしまいます。

衛生委員会に参加しているメンバーは目的も内容もよくわかっていないまま参加しているのでなあなあになってしまっていました。

産業医が少し突っ込んだ質問をすると委員長がなだめて話し合いにもならないことが多かったです。

事なかれ主義は大手企業に多い傾向ですが、自分なら大手でもこの体質の会社には入りたくないですね。。。

CASE3 面談で終わり(衛生委員会の実態がない)

産業医が衛生委員会の為に訪問すると、すぐに面談の部屋に通され説明もそこそこに従業員との面談が行われます。1時間訪問なのですが2件面談を行い、フィードバックすると時間になります。この企業は長時間労働者が毎月出ていて80~100時間を超える残業です。

長時間労働者への面談実施の義務はありますが、面談時間以外で衛生委員会の場を設ける必要がある企業様でした。

もともと契約されていた産業医が面談しかしない(できない?)先生だったようで、企業側の認識がそこからスタートしてしまっていて【産業医は面談する人、面談者がいないとすることがなくすぐに帰る】となってしまっていました。

今回は3パターンを見ていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

あなたの会社はこのような衛生委員会の状態になっていませんか?

今回のケースは企業側、産業医側の両方にダメな部分があるケースになります。

企業側は有意義な衛生委員会にするためには産業医を【選ぶ】【変更する】必要があります。

また、産業医側は自身のリスク回避のためにも最低限の情報【定例報告】は受け取るようにした方がよさそうです。

悪い例ばかりですと、よくないので次は【良い事例】をご紹介していきます。

良 い 例

CASE4 産業医主体型 衛生委員会

こちらは産業医が主体となって企業を引っ張っていった例です。

企業規模は50~100名規模で産業医の選任義務があったが、労基署に是正に入られてから産業医を選任した経歴を持ちます。

もちろん、衛生委員会や産業医に関する知識はゼロで衛生管理者もいませんでした。

そこで、選任された産業医は規定の策定から衛生委員会のメンバー選任など、基礎的な部分をまずは担当者に説明し、産業医を中心に徐々に衛生委員会を作っていきました。

従業員には健康診断結果による就業判定をして、問題のある方には面談を実施、ストレスチェックも行いフィードバックも実施しました。

まともな議事録になるまでに1年間かかりましたが、翌年には健康経営の認定を取るまでになりました。

この間、健康講話は一切行わず(そんな時間は無かったとのこと)規定作りと産業医を選任したことの従業員への周知、相談窓口の設置などを重点的に行ったとのことです。

CASE5 各部門長持ち回り型 衛生委員会

こちらは600~700名規模の企業様でした。

長時間労働者が非常に多く、産業医が訪問しても面談に追われ衛生委員会の実施が出来ていませんでした。衛生委員会の実施に関して労基署から是正が入ったことをきっかけに、産業医を変更。産業医が変わったタイミングで面談日とは別に1時間時間を設け衛生委員会を実施しました。

従業員数が700名ともなると、部署も多く行っている事業も全然違ったため、企業担当者は各部門長を持ち回りで衛生委員会に参加するように全社に呼びかけました。

毎月、別部門長が参加することで産業医もどの事業部がどんな労働環境で働いているのか、どの部署に残業が多いのか、なぜ残業になってしまうのか、など分析が可能になりました。

長時間労働者面談でも部署ごとに特色がはっきりと出ていて、産業医としても問題の部署の部長から直接ヒアリングができるので課題の洗い出しや具体的な対策を一緒に解決できるようになったとのことです。

決まったメンバーだけだと、課題の発見や部署ごとの違いに気が付く機会が減ってしまうので定期的に新しい血を入れるのもよいと感じた事例でした。

CASE6 社長参加型 衛生委員会

こちらは100名ほどの規模の企業様です。

産業医と契約していたが名義貸し状態で衛生委員会の実施も無し

企業担当者が不安に思い、産業医の変更をして衛生委員会の立ち上げを行いました。

衛生委員会のメンバーには役員のほとんど+社長が参加しました。担当者がとりあえず上の人間を出すという間違った知識があったためです。しかし、それが結果的に功を奏しました。

第一回目には産業医から「衛生委員会とは?」「産業医とは?」というテーマで、はじめましての挨拶と今後の方針を決める会として実施しました。

なんと、産業医と衛生委員会の話で質問と意見が飛び交いあっという間に1時間の訪問時間が終わってしまいました。ほとんどの質問は社長自らの発言からでした。なぜかというと、担当者も知らなかったそうですが社長は「健康情報オタク」だったそうです。

2回目以降は【やらなければならないこと】【社内で起こっている問題】など、各部門長でもある役員から吸い上げられた課題を次々と話し合い、その場で社長が決済するという良い循環に繋がっていきました。

衛生委員会が立ち上げると、社内イベントや決済が必要なケースが出てくることは少なくありません。そこで決裁権のある社長クラスが衛生委員会に参加していると、その場で決済が下りたり、現場の状況を知ってもらえたりといいこと尽くし、ということを再認識した一例でした。

以上、衛生委員会の「悪いパターン」と「良いパターン」の3種類をご覧いただきましたが、いかがでしたでしょうか?

当てはまる部分があったり、なかったりとございますがこれを機に【衛生委員会】について見直してみるのはいかがでしょうか。

ではまた。

このコラムを書いた人:
メディカルコンチェルトの「中の人」

産業保健分野に従事して早〇年。いろいろな企業を見てきた経験から産業医とはまた違った視点でコラムを書いています。興味を持っていただけたら幸いです。